ぴろぴろ

夜明けの祈りのぴろぴろのレビュー・感想・評価

夜明けの祈り(2016年製作の映画)
3.7
舞台は1945年ポーランド。 それほど今から遠くない時代。 心身共に傷ついた修道女たちを救ったフランス人女医の実話。
戦争には略奪や性暴力がセットの様に語られるけれど、被害を受けた側は堪ったもんじゃない。 身も心も全てを神に捧げて支えて来た修道女が、神聖なる場所で望まない妊娠をしたら。 その受け入れ難い現実と苦悩、絶望は察するに余りある。 意に反していても日々変化して行く自身の身体と、信仰との狭間で。
静かで厳か、ほの暗く冷ややかな教会に陽の光が差し込む。 祈りを捧げる修道女の姿と歌声は 神々しくて絵画のように美しかった。 フランス人女医マチルドが自らを危険に晒しながらも、極秘に修道女達を献身的に救おうと努力する姿は崇高だった。 悲しい決断もあったが、各々が考え得る一番の方法で信念を持って貫いた結果だったと思う。
人によって傷つけられても、人で救われる。
マチルドを演じた女優さんが凛として美しい人だった。

「信仰とは24時間の疑問と1分の希望」
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