kaitomo

許された子どもたちのkaitomoのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
3.8
裁かれなかったいじめ殺人の少年加害者と、それを取り巻く人間達の、暗澹たるドラマ。
加害者の少年の加害行為を非常に生々しく見せられている私は、彼が無罪でないことは知っているので、のうのうとコイツが解き放たれることに釈然としないため、バチが当たれ!という気持ちにはなる。
それと同程度に罪深いと思ったのは、あの弁護士。少年を脅し、証言を翻させる行為は許しがたい。彼女には彼女なりの信念や正義があったのだろうが…。
しかし、ネットを通じた私刑行為には更に胸糞な気分になる。「お前らはコイツが本当に殺したかどうか知らないだろ!本当に無実だったらどうするんだ」と。
いじめが起きている学級でのいじめ討論の気持ち悪さも凄い。
ヒロイン的ポジションの娘は、かなり真っ当なんだけど、何だかゲンナリさせられる。
そんなわけで、あらゆる登場人物の行動が理解できなくはないが、強く不快な気持ちになることばかり。そして、なかなか長いので疲弊する。途中、何度か地球滅亡エンドを望んでしまったくらい。
主人公のキラ君は、柳楽君似だったので、デストラクションベイビーズに繋がりそうにも感じた。あの映画の胸糞具合も凄かった。
最後まで見ても、何かしら昇華される訳でもなく、二度は見たくないが、物凄く気合いの入った作品だった。
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