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許された子どもたちのmi2witのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
3.6
非常事態宣言が明けてからの一本目。

インターネットメディアの「ねとらぼ」さんで紹介記事を読んで、これは観ておこう…と思ってたのですが、か〜な〜り重い話でした。

冒頭で登場人物(悪ガキ四人組)の名前のテロップが出てきますが、一瞬で流れるので注意。
主人公の絆星(キラ)を始め、いわゆる"キラキラネーム"なのですが、『だからク●ガキなんだよ!』などと言うつもりありませんが(笑)、
「緑夢」で『ぐりむ』とか字幕が出ないと読めないw(なお、終盤で「絆星」の名前の由来が明かされます)

この四人が日常的にイジメてた同級生を誤って死なせてしまう(「殺す」というほどの殺意はなく、遊びの延長で)のですが、助けることもせずに逃げてしまう。
で、キラが帰ってきた時に母親は洗濯物を畳んでたんですが、「手伝うよ」「あら、珍しいわね(笑)」なんてやりとりとか、被害者の同級生がまだ家に帰ってないと電話があった時の挙動とか、警察が来てからのやりとりとか非常にリアル。(いや、もちろんリアルに体験したことはないけどw)

まぁ、結局のところは証拠不十分で起訴されなかったのですが、被害者家族からは民事で訴えを起こされることに。
ただ、それとは関係なく「正義」の第三者によるインターネット上への個人情報リークや、イタ電・ピンポンダッシュ、壁への落書き・投石etc.の「被害」を受けて引っ越すことに。
ただし、引っ越し先でも同じように、すぐに身バレするので、名前を変えて転々と逃げることになるのですが。(さすがに「キラ」なんて名前だと一発でバレるw)
何軒目かの引越し先でキラが通うことになった学校では、「演劇部の顧問の先生との恋愛がバレた時に『ムリヤリ襲われた!』って嘘をついて先生を辞めさせた」という理由でクラスメートからハブられてる桃子が登場。
優等生ヅラした委員長たちが「いや、イジメは良くないよ!」なんて学級発表してて先生もウンウンなんて見てるくせに、桃子のことは完全にスルー。(いや、上履きに画鋲を入れたりとかはある)
この辺は「どの口で言ってるんだ?」とツッコミ必須w
(そもそも、桃子の言い分とクラスメートの話は、どちらが正しいのかは最後まで分からないけど)

そんな桃子は自分をイジメない転校生(キラ)に何かを感じとって惹かれていくのですが、この映画はそんな二人の恋愛物語ではない!w

終盤、キラは過去に向き合うため、桃子と被害者の家に向かうのですが、そこで見たものは「そんなに金が欲しいのか!」「守銭奴め!」などと罵詈雑言の貼り紙。
そう、「被害者」のはずなのに「正義警察」は容赦なし。
(「もともと家族仲は良くなかった」という情報からきたものだと推測される)
そして、被害者・樹(いつき)くんの両親と対面するキラであったが…

===

これ以上はネタバレになるので多くは語りませんが、タイトルの「許された子どもたち」は誰を指すのか?
(「許された子ども」ではなく「子どもたち」ですよ?)
で、「本当に許された?」のだろうか???

これはちょっと色々とモヤモヤさせられたので、「万人にオススメできるか」と言えば難しい作品でした。

しかし、主演のキラを演じた上村 侑(うえむら・ゆう)を始め、子役たちの演技はスゴイ。
(ホントはこんなク●ガキどもなんていない…と思いたい。。。)
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