しちれゆ

許された子どもたちのしちれゆのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.0
内藤監督の『ミスミソウ』が衝撃的で是非見たいと思っていた作品をやっと鑑賞。社会派の皮を被ったエンタメ。だっていちいち胸クソで「さあさあ地獄を楽しんで!」って云わんばかりなんだもの(『ミスミソウ』も同様)。
不良少年グループの4人の親のヤンキー決定!なキラキラネームとか、絆星の母親の異常な逸脱っぷりとか、家族で行くカラオケの貧乏臭さとか、更には″いじめについてのグループごとの話し合い″での中学生のダサさとこっぱずかしさ…もう狙ってるとしか思えない。もちろん褒めています。
絆星と母親がキャリーケースを引っばって坂道を上ってくるラスト、1本の煙草を交互に吸う親子。絆星はまだ中学生、髪の毛染めてツンツンにして。これから老いていく母と人生途上の息子、息子を守り続けた母は次第に庇護される立場になり、息子はますます汚れながら社会の底辺で生き続ける。この母を息子は決して見捨てないだろう。『許された』ゆえにほんの少しだけあった悔恨や負い目を永久に封印して、愛し合って生きるだろう。
作品冒頭で、虐められていた幼い絆星が母に抱きしめられ指しゃぶりをするのが唯一悲しい。
そして″逃げるが勝ち″の結末はわくわくするほど強烈で恐ろしい。
しちれゆ

しちれゆ