他の方のレビュー見て初めて知った。これ、『鍵泥棒のメソッド』の韓国リメイク版なんだ。
ユヘジン、最高。
彼の出立ちとキャラクターがものすごいフィットしてる映画。
殺し屋が先頭で頭を打って意識不明で記憶喪失。
そこに居合わせた自殺を覚悟した売れない貧乏役者。
殺し屋をどこぞの金持ちと勘違いし、事に乗じて記憶がない殺し屋を良いことに生活を乗っ取って入れ替わる。
記憶喪失の殺し屋が役者を目指し、売れない貧乏役者が殺し屋家業に首を突っ込む。
比較的ありがちな話だけど、何でこうも面白いか。
この殺し屋ユヘジンの武骨だけど完全に冷徹な殺し屋でもない感じ。
売れない役者イジュンのどうしようもなさの中の優しさや真剣さ。
この記憶喪失の殺し屋ユヘジンが、何とも絶妙な優男で、昔の『刑事物語』の武田鉄矢的な。
結局、記憶を取り戻すことになるが、そこからの展開がなかなかひねりがあった。
事情があって殺し屋だけど、殺しのターゲットをただただ殺すためだけだったわけでもない展開が「え、そうなんだ、で、どうすんの?」とワクワクできた。
それにしても、売れない役者の家の汚さは生活入れ替わって殺し屋の豪華な高級マンションにいても滲み出てくるんだなとか。
殺し屋が記憶を忘れて役者になってもアクションシーンは完璧に本格的にこなすんだなとか。
組織やら告発やら殺しの陰謀やら、本筋の話はギリギリで活かしつつ、そっちの設定の面白さを中心に引き立ててワクワクとホッコリをうまく混ぜ混ぜしたコメディ。
記憶を失う前の経験と人間性と、記憶を失った後の経験と人間性が、記憶が蘇った後の経験と人間性にうまく乗ってる感じがすごく素敵な映画だった。
F:1706
M:4084