うえの

探偵はBARにいる3のうえののレビュー・感想・評価

探偵はBARにいる3(2017年製作の映画)
3.8
失踪した彼女を探して欲しいという平凡な依頼に乗り出した探偵と高田。
簡単な依頼だったはずが事件の背後に暴力団や覚せい剤、さらには殺人事件までも関与していることが明らかになっていく。
サイコな暴力団のボス、北城や高田を圧倒する敵、波留などシリーズ最強の敵との戦いを描いたススキノ探偵シリーズ第3作目。

前作からおよそ4年、ススキノ探偵シリーズ帰ってきた!
前2作の大ヒットを受け、プロモーションにもすこぶる気合いを入れていた今作。
予告から最期を意識させる内容が多く、まさかな?まさかな?と若干の不安を抱えながらいざ鑑賞笑。

印象としては予告の盛り上げ方の割には盛り上がりに欠ける地味な作品といった感じ。
シリーズ最凶と言われた北城は序盤から小悪党扱いで、下には強く上には屈するRPG序盤の雑魚ボスみたいな存在。
高田を圧倒するほどの武道の達人で何を考えているのかわからないサイコパスな雰囲気を醸し出す波瑠は確かに強いが、本当に何を考えているのかわからなくて、終いには何がしたかったのかわからない中途半端な存在になってしまっていた。
しかしリリーフランキーは北城の役どころを理解してあえてあの小悪党感を演じていたというからお見それした笑。
志尊淳ももう少しセリフがあればキャラクターが立っただろうにもったいない感じだった。

そんな今作の大きな変化といえばまず美女の依頼人との関係性だ。
とんでもなくあっさりと一線を超えた笑。
今までありそうでなかったこの展開にやはり007的な側面を勝手に感じた笑。
今回のマリはシリーズ通して最も良い感じの美女笑。明るく無邪気に探偵を振り回す姿に今更北川景子に魅力を感じるとは思わなかった。
しかしやはりしっかりと闇は抱えていて、なぜ北城の元で働くようになったのか、探偵に近づいた理由は?、奪った1億円の使い道はなどの多くの謎を残した彼女がとった行動の真意をラストまで伏せた見事な展開の先に、やるせない悲しいラストが待っている。
相変わらずのバットエンドとも言えるお家芸は健在。

また今回は久々の登場の脇役が多く、シリーズ通して見てきた人には嬉しい作品になっている。
篠井フローラの再登場が結構嬉しかった笑。
篠井さんはオカマが上手い笑。
お色気担当の峰子こと安藤玉恵もモンデを飛び出し個性爆発笑。
峰子って名前でクリカンって名前を連呼するどっかで聞いたことのある響きに笑う。
冒頭のお触り教師を演じる正名僕蔵も反省の無さの感じから再登場期待できそう笑。

まあ結果としてエンドロール後にもう一笑い残したコメディ感の強まった作品でシリーズの柔軟性も感じさせる内容だった。
薄まったハードボイルド感をカバーして余りある笑いどころの多さ。
どうして探偵と高田が同じ目にあって高田だけ無事なのかという問いに
高田「キャラクターじゃねぇか?」の一言にジワジワ来る笑。
それはキャラクター通り越して俳優の自体の人間性のことでは笑。やはり自分のキャラクターを自覚している様子の松田龍平がずるい笑。

とにかくまたこの2人が観れて嬉しい。
次作もありそうだしさらに嬉しい。
このシリーズは末長く続いて欲しい。
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