勝ったのは農民だ

探偵はBARにいる3の勝ったのは農民だのレビュー・感想・評価

探偵はBARにいる3(2017年製作の映画)
3.8
休日の夜に、ブラックニッカの水割を飲みながらゆっくり観ました。
個人的には、シリーズ最高傑作だと思います。この三部作は3>1>2の順で好きです。
1と3は好きで、2は嫌いです。

ただ、もし自分がシリーズ未見の人に今作を勧める場合、少なくとも一作目は見た上での鑑賞を勧めると思います。
多少の予備知識があるのと無いとでは、このシリーズ常連の名物キャラクターが出てきてもイマイチ分からない、面白味が半減するでしょう。

・ススキノをはじめとした北海道観光映画
・大泉洋さんと松田龍平君のコンビの掛け合いの面白さ
・脇を固める個性的なキャラクター
・洒落た音楽による雰囲気
・少し下ネタ
・謎のヒロイン
・エンドロールの後にあるオチ
こういうシリーズの特徴があることを事前に理解する意味でも、せめて1作目は観て欲しいです。

そして、あくまで自分の意見ですが、このシリーズ通じて、脚本や俳優の演技・演出のネジのしまりのゆるさというか、欠点も勿論あります。

特に脚本。
2作目で犯人が分かるくだりの脚本とか全然ダメだと思いました。
この3作目も、事務所の鍵が開いたところで警備会社が来るでしょうし、簡単に情報が盗め過ぎます。
何より「探偵ならこんなことして当たり前。」みたいな感じに描かれていますが、普通に違法捜査も多い気がします。
つまり、そういう細かい所はスルーして、少しムード優先で観た方がいいでしょう。



また、松田龍平君の格闘アクションがどう見てもパンチが大振りで、全然強そうに思いません。今作に関しても敵役の志尊淳君の方が、アクションのキレは勝ってると思います。松田龍平君の飄々としたキャラクター自体は好きですけどね…。

あと、大泉洋さんは本当にいい俳優さんですね。『駆け込み女と駆け出し男』『アイアムアヒーロー』等も良い演技していましたが、コメディ寄りだけど、どこか油断ならない雰囲気もちゃんと持ってます。
世間的に十分評価されてはいますが、もっと評価されても良いかもしれません。

それと、北海道は自分はまだ行ったことがありませんが、ちゃんとご当地観光映画の要素もあり、北海道に行ってみたいという気にもさせてくれます。この3部作が成功したのは、北海道出身の大泉洋さんのキャリアの中でもかなり大きな功績の一つですね。