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三度目の殺人のmittskoのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
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ミステリ・サスペンスではなかった…! これから観る方は、その辺りの期待をすべて捨てておかれたし。とても「文学的」ないしは「思索的」な映画で、娯楽作品ではございませんよ(*´ω`*)

残念ながら、ボクには全く合わなかったわけですが、お好きな人はお好きだろう。

印象に残ったのは、役所広司の神がかった芝居。まぁ上手い、上手いというか桁外れの規格外。しかし… あの役どころは、もっと気色の悪い、何を考えてるかわからない、物語を感じさせない、そんな壮年のクソ男っぽい人(できればほとんど無名の俳優さん)がふさわしかったのではなかろうか… 集客を見込んだキャスティング強化で入れ込まれたのかな…

でもそんなのはホントは必要なくて、福山雅治と広瀬すずでパブを撃ちまくり、吉田鋼太郎を押さえにもってくる、そういう広報戦術で十分いけたんではなかろうか… などという妄想が走ったのでした

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200222 劇場以来のアマプラ鑑賞 初回よりは楽しんで観れた…(*´ω`*) 演出、撮影、編集、それからお芝居… その辺りに照準が合ったからだろう(初回は物語に気を奪われすぎてたかも) うん、たしかに並じゃないね、是枝組…!(*´ω`*)

作品のテーマは「近代的な裁判制度の虚妄性」。そこから引き出されてくるのは、罪と罰、真と偽、信と不信… そういった倫理的な問題群だ。そのメッセージとは、「ボクらが立つ日常平面の底板は、とてもとても薄くて脆いですよね。その下には奈落の暗黒が口を開けてますよね… そして、そういう真実を目の当たりにすることって、人間にはそんなに難しいことじゃなくて、その易傷性こそが人間の生なんですよね」… となろうか…
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