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三度目の殺人のskm818のレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.0
弁護することになった殺人事件の容疑者に振り回される弁護士の話というか、現代日本の裁判のとんだ茶番っぷりというか。
これさー結局何が動機かそもそも彼は本当はどこまでやっているのか、確かなことはわからんのよね。言うこところころ変わりすぎだし、その証言のいい加減さも何が動機で目的なのか全然わかんない。もしかしたらそれこそ快楽殺人なのかもしれんし、周囲があれこれこうだろうと善意であれ悪意であれ決めつけた通りに彼は演じて見せているだけなのかも。
確かだと言っていいのは、あの殺された社長はクソ野郎であり、あの母親もどす黒いということくらいか。
容疑者ミスミは何か人生に虚無的な思いを抱いているようだが、それがどうしてなのかは明らかにならない。以前の事件の動機なども語られない。
弁護士の重盛はできるだけのことをしようとするが、ミスミに翻弄され、のめり込み、何やってんのかわかんなくなっちゃって裁判にも負ける。
ミスミは自分をたすけるために父親を殺したのだと信じる女子高生の決意も報われない。あんな嘘を法廷で言わせるなんて、誰にも悪意はないにせよ最悪だ(この映画の中でこれが一番最悪で残酷なことに見えた)。辛い思いをさせまいと、なんていらん世話だぞ。
皆忖度しあって、表面上は上手いこといってんだけど、もやもやとした重いものが残っていくし、それで言葉を飲み込んだ誰かを傷つけてるっていうな。
満島真之介の純粋まっすぐ君っぷりが眩しい笑。彼も10年経ったら先輩たちのようになってしまうのか。
ミスミの言うことと重盛元判事の言うことが同じだったが、これはどっちがどっちに影響受けているんかな。
父子関係繋がりということだと思うが、重盛と娘の話や離婚寸前だという設定は、事件と全然関係ないし、いらんかったかも。
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