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三度目の殺人のIdeonのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.5
弁護士の重盛は、同僚の摂津から殺人犯の弁護の応援を頼まれる。被告の三隅は接見するたび証言を変え、摂津は手を焼いていたのだ。三隅は以前にも強盗殺人を犯しており、今回は死刑を免れないだろうと考えた二人は、殺人と窃盗ということにして死刑を無期懲役に持っていこうとする。ところが、しばらくすると、被害者の妻からの嘱託殺人だったという三隅の告白が週刊誌の紙面を飾るのだった。二転三転する三隅の告白に重盛は翻弄されるというお話。
ミステリーだがフーダニット物ではない。だから、あっと驚く真相を期待して行くと肩透かしを食らう。ミステリーとしての面白さは今一つである。しかし、面白くないわけではない。役所広司を中心とした役者たちの演技の冴えを味わう作品だ。得体の知れない人物を鬼気迫る演技で表現する役所広司は言うに及ばず、吉田鋼太郎、橋爪功の安定した重厚な演技、もはや、演技なのか素なのかわからない斉藤由貴の演技、ニュートラルな福山雅治の演技、さまざまな演技のアンサンブルが楽しめる見どころのある映画だと思う。
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