レオナ

三度目の殺人のレオナのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
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考えれば考えるほど、すごい作品だったのでは…
信用できない語り手=役所広司に登場人物も観ている私たちも、翻弄される。ところが最後に彼は信用できない語り手ではなく、ただの”器”、つまり観ている私が、登場人物自身が、人を殺めることにどういう意味を見出す/見出したいかを表している、と気づかされる。
(福山雅治は正義のため、広瀬すずは私のため、父裁判長はただのモンスター等々)
向こう側/こっち側、と表されるように、役所広司と福山雅治は最初から最後まで壁や柵に隔てられていた。ガラス越しに手を重ねるシーンから、善と悪で分けられていた2人が曖昧になり、なにが真実かわからない上に正義とは?悪とは?もわからなくなってくる。最後の面会シーンでは役所広司を福山雅治で満たすような作画。
感情で人を殺すのと、司法で人を殺すのの違いは?金銭目的と怨恨の違いは?そういった人間が作った向こう側/こっち側という境界線の満たなさをあぶり出す。
三度目の殺人は自分を死刑に処すことかな〜と思っています。原作モノでない、オリジナル脚本で面白い作品はあっぱれ是枝監督素敵。
てか役所広司すんごい。役所広司しかいない。役所広司バンザイ。
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