平沢智萌xxxネタバレ気味注意

三度目の殺人の平沢智萌xxxネタバレ気味注意のレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.0
エンディングを迎えても
「真実は誰にも分からない」です

しかし逆にだからこそそれがリアルだし、
法廷等に対しての問題提起に焦点を置いた作品のように思う
本来なら「真実」を明らかにして法の下に照らし合わせ
正しい罰を与える…のが理想だと今でも信じていたいが
実際はそうではなく、スケジュールありきのみで進んでいる
故に、物語としても「真実は分からないまま」です

しかし読み解いていくと「もしかしたら…」という読解は可能だが
答えとしては出ていないので、本人以外は知る由もないです
けれど映像には細やかに伏線が散りばめられていて
その部分だけは「やはり物語であるな」と思えてきます

北海道の鉄鋼産業が盛んだった街で起こった最初の殺人事件
そして二度目の食品加工場社長の殺人事件
ではタイトルである「三度目の殺人」とは…?

世の中には人を殺せる人と殺せない人の2種類がいる
裁く立場を羨ましいと思っていたが、
自分はいつだって裁かれる立場であった
そして自分は生まれてきてはいけない人間だと思っている
けれど自分も誰かの役に立つことが出来る

カナリヤを飼っていた事や広瀬すずのコートが赤だった事
三隅が犯した殺人で残した十字架の形
雪の中で寝ころんだ3人の姿…

法廷から去る時にすずには目を合わせないが
手はカナリヤを逃がした時のような仕草をしたこと
最後の面会室では三隅は常に光の中にいたこと
反射した三隅の姿に、重盛の顔が重なりかけ…しかし離れる

十字架とは罪の証
十字路の真ん中で立ち尽くし迎えるエンディング
すっきりとはしないけれど、良い余韻を残しながら
色々考えさせられる余地を残していく映画でした