映画の味方あっつマン

三度目の殺人の映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.4
弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく——。

本作は、第41回日本アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本、助演男優、助演女優、編集の6部門で最優秀賞を受賞している。日本映画界は、是枝監督のことが好きだな。

是枝監督の作品は、どんな重たいテーマを扱っていても、どこかドラマ的なエンタメ性があり、非常に観やすい。プロットがしっかりしているし、カメラワークも安定していて、俳優も豪華。また、「家族」をテーマにした作品が多く、どの層にとっても受け入れやすい。ハズレの少ない監督だと思う。

本作も、安定の面白さがあった。最後は「怒涛の謎解き」をあえてやらずに、可能性をいくつか見せてモヤっとして終わる。まあ、あれを結論として確定させても、劇中で三隅役の役所広司に言わせたように、偽善的ではあるけれど。