Rylax

三度目の殺人のRylaxのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.6
万引き家族、海街Daiaryに続けての是枝監督の作品。前評判も高いことから期待をさらに膨らませての鑑賞。作品を観る前に司法への問題提起という主題を把握したつもりで挑み、見事期待を上回る内容で返り討ちに遭いました笑。

感想
真実はどうなのか、犯人はだれなのか、動機はなんなのか、三度目の意味とはなんなのか。役所広司さんをはじめとする圧倒的な演技力をもって観ている人を引き込み、絶えず推測させる。徐々にヒントのようなものを提示して物語を展開させていくも、決して「真実、答え」のようなものは明かさない。(分からないという方が正しいかも)
今までの映画で〇〇とはを考えさせられるようなものは何本か観てきましたが、小さな物から一番大きい作品全体の結末まで、これ程の疑問符を植え付けられた映画は初めてです。そしてその疑問を不快と感じさせない役所広司さんの演技力、圧巻です。

作品途中、吉田さんが福山さんに唐突にある小話をして「あれ、是枝さんらしくないベタな演出。ちょっとリアリティなくないか。。」とちょっと残念に感じてしまいました(笑)が、作品を見終わって、言葉の意味を知った時、これほど短くて福山さん演じる福山さん演じる重盛や司法における検察や弁護士を表すのに的を射た言葉はない、たしかにあのシーンは必要だったと納得しました。
「群盲象を表す」
良い言葉を知りました。
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