"真実"よりも判決の"勝敗"にこだわる弁護士の重盛。
「いや、理解とか共感とか弁護するのにそういうのいらないよ。」
重盛は同僚の摂津に頼まれ、解雇された会社の社長を殺した事件で起訴された前科のある三隅という男の弁護を引き受けることになる。
「法律ってなんか不思議ですね。」
これは"二度目の殺人"で、容疑を認めている三隅は死刑の判決を待つのみだった。
「どっちが本当かなんてどうせわかんないんだから。」
単なる強盗殺人だと思われていた事件は、三隅の二転三転する言動に翻弄される重盛がいろいろと調べれば調べるほどに謎が深まる結果に…。
「あなたみたいな弁護士が、犯罪者が罪と向き合うのを邪魔するのよねぇ。」
重盛はさらに三隅を探るために"一度目の殺人"を調べ始める。
「いろんなこと見て見ぬふりしないと、生きていけませんからね…そっちじゃ。」
雪の中で倒れこむ三隅と咲江…重盛だけが大の字に倒れこんでいた。
「裁いたのか…救ったのか…。」
"三度目の殺人"とは?
「立場違うけど、みんな同じ司法っていう船に乗ってるわけだから。」
真実とは…"法廷が真実を明らかにする場ではない"ということ。
「あの人の言ったとおりでした。」
法廷モノとしてこういう感じの映画は他にも観ましたけど、是枝監督らしいラストですねぇ…好きです。
「誰を裁くかは…誰が決めるんですか?」
特に最後の接見で、始め向き合っていた二人の顔が窓に映る三隅の顔を重盛に被せていくシーンがおもしろい。
「あなたは…ただの…器?」
「なんですか?器って。」