三度目の殺人のあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

法廷制度からひろがって人々が折り合いをつけながら生きていくためのシステムについて、三隅の器としての存在を通して、思わされて、気づかされるようだった。判決がくだるとき、被害者と加害者だけではない、検事や弁護士や裁判官それぞれの、罪を裁くことの本質とは関係ないような事情も含めての周りを囲む意思の流れが、人の人生を決定するのを見て、それまではモヤがかかったみたいにぼやけて分からなかった三隅の言動が、少しずつ噛み締めることができてきた。
ラストシーンの重盛を見て、三隅が真ん中にいて、それぞれの意思が三隅に流れ込んでしまった物語と捉えると、意思を有耶無耶にしてしまうシステムと同時に、それでも消えない意思の存在を目の当たりにさせられたみたく感じた。