LalaーMukuーMerry

三度目の殺人のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.4
これが裁判の現実。真実から目をそらしたまま判決に進んでしまいがちな日本の裁判の進め方に疑問を投げかける作品。裁判官にも弁護士にも検察官にも、そうなってしまう理由がある。終盤に言い渡される判決が、これで良いとは到底思えないことは、多くの観客が感じる事。真実はどうなのか? それは依然として闇の中。
          *
劇的に真実が明らかにされて判決にたどり着く、よくある裁判映画とは一線を画す、たいへん考えさせられる、そしてモヤモヤ感で一杯になる作品でした。ストーリー的には、「二度目の殺人」ではないか?とも思いましたが、判決内容そのものが三度目という意味だと納得。
          *
先進国で死刑制度が残っているのは日本とアメリカの約半数の州だけ。死刑廃止の国では少なくとも冤罪死だけは避けられる。消極的理由ともとれる廃止論の中に実際は最大の理由があるように感じられる。
          *
人生に希望が持てず(かといって自暴自棄になるのではなく)、冤罪死によって別の人を助けることで、自分の命の意義を感じる人がいるとしたら・・・
          *
人が人を裁くことの難しさ・・・