とにかく、役所広司の演技力の素晴らしさにただただ感動。人間が持つ二面性が、恐ろしいくらい感じられた。
この人の演技があまりにうますぎて、観てて本当に振り回された。
序盤は、サスペンスミステリーっぽく展開。キャラクターが単調で、なんか安っぽいというか典型的というか。
家庭環境うまくいってない福山雅治とか、熱血漢の満島真之介とか、なんかもうありきたりやな〜みたいな。
ただのミステリーかー、と思ってぼーっと観てた。
が、中盤以降、一気にひきこまれた。
キャラクターも表情を変えて、奥深くなってきて、興味もどんどん惹かれていく…
この辺りから、映画がただのミステリーではなく、もっと深くて重い映画へと転換したのが凄い。
あえて説明せずに観客を突き放すような脚本も、この映画においては、嫌ではなかった。
一応観ながら、自分なりに答えは出すんだけども、果たしてそれが正解なんだろうか？とか、この映画の本質はどういうところにあるんだろう、とか。
様々な考察の幅を与えてくれる名作。
ただ、あまりに抽象的すぎてちょっと冷めてしまった。
正解じゃなくとも、自分なりに納得できる答えを見つけ出せるような感じだったらもっとハマったと思う。
と、思ってたんですけど、なんとなく2回目の鑑賞をしたら、1回目に気づかなかったことにどんどん気づいて、すごくストン！とくるものがありました。
何度も観て、より深みを味わいたいと思える映画です。
