うめ

三度目の殺人のうめのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.0
タイトルの通り
確かに話の軸となるのは
殺人事件
法廷
でも
本質はそこじゃない

何度も大きく映し出される顔。
関係で立場を変え
向かい合い
言葉を交わす
弁護人
加害者
被害者
親子
その時
あなたは何を見ていますか?
あなたは何かを求めていませんか?

現実の私達も同じだ。
無意識にそこに求めるのは
見たい姿
見せたい自分
だから
「真実」は絶対的なものなんかではない。
人が思いたいだけ
数限りなくある。

役所広司の得体のしれない不気味さ。

斉藤由貴の抑えても溢れる妖しさ。

吉田鋼太郎の胡散臭さ。

満島真之介の青臭さ。

わずかの出演でも
橋爪功が醸し出す重み。

そして
広瀬すず
彼女の真の力は触媒なのかもしれない。
「怒り」「ちはやふる」のように
良いキャストに恵まれた時
一層、輝きを増し
まわりも活かす。


………
すいません。
私、やっぱり福山さんはダメでした!
悪くないとは分かっていても
なんか一人だけサラッとした演技に感じてしまう。


もう少し伏線を回収して欲しかったという気持ちもあるけど
この作品こそ「空の器」なんだろう。
観る人によって何が盛り付けられるのか。
サスペンス?
ミステリー?
社会派ドラマ?
さあ
あなたはそこに何を見ますか?
さすが是枝監督。
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