Angeprunelle

三度目の殺人のAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

無言の傍観者。
沈黙の罪人。
それが3度目の殺人を犯す。

その自覚があるならまだ救いがあるけれど
きっと大多数の人間に自覚がない。

今も昔も法廷というものは
決して真実を明らかにする場所ではない。
おかしいと思うけれどそれが現状。
それをおかしいだの間違ってるなど
文句を言うことは誰にでも出来る。

ただそのおかしい現状を作り上げているのも
黙認しているのも紛れもなく私達というのを
自覚しておかなければならない。

法廷だけじゃなく学校でも会社でも政治の世界でも
似たような出来事はたくさんある。
あらゆる権力で真実を作り変える。

私達は他人の事となると嘘偽りない真実を知りたがるけれど
当事者となれば話は違う。
自分の望む結果を生み出す真実を
緻密に作り上げようとするし
それこそ嘘偽りない真実だと主張したがる。

真実だけでは守りきれないことや
明らかにされると困る心の弱さや素行の汚さを
誰もが持ってるという確かな証拠を突きつけられた気がする。

透明性を望んでいるの私達でも
不透明なことに救われている皮肉。

不透明なことに殺され
透明性に救われる人もいる。

何に救われ何に殺されるか分からない。
何で人を救い何で人を殺すか分からない。

沈黙の罪。
Angeprunelle

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