このレビューはネタバレを含みます
とりあえず採点だけ。
だったけど追記しました。
なるほど凄い映画だ。少々難解なんだけど、上手くできてるな、と。そしてなんなの、この見終えたあとのずっしり重いものが乗っかってくる感じは。
現在の刑事事件に対する裁判制度や法廷の問題点などを上手く使って 死刑=殺人 と解釈させる所は当初から予測できました。
か、そこまでの持って行き方や動機付けを上手く見せていたと思います。
そして観客に「あなたにはどう見えましたか?真実とは?正しさとは何?」という疑問を投げかけて終わります。
ただ、満足したかというと・・・
モヤモヤするんです。
僕は
第1の殺人は役所広司が(強盗殺人)
第2の殺人は広瀬すずが(父親を撲殺)
第3の殺人は福山雅治が(被告を死刑へ導いて)
犯人?だと思っています。
第2についてはボヤけさせてますし、
第3にいつても裁判上での死刑判決なので1人とは限りませんが、半ば弁護を放棄して死刑に持っていったあたりからもこう見てます。
第3は、第2の殺人犯を救うため、役所広司を犯人に仕立て上げて死刑に持っていった、ってことです。勿論役所広司もそれを望んでいたワケですから共謀ともいえますね。
あと、映画のポスター見ても、この3人かなって、ね。
で、モヤモヤしてスッキリしない感じでさすが、この映画、登場人物の誰一人として僕は好きになれないんです。
見ていてキーになったのは娘を持つ親であることと、その娘にとっていい親になれなかった男2人いう設定かしら。
でも「他人の娘を救おうとするなら、自分の娘と向き合えよ。真実から目を背けて自分の贖罪を他人の娘を救うことですんなよ」と思うわけで。
性的虐待を受けていた少女を救うのは貴方方の正義かもしれない。それでも殺人犯を野に放つということはどうなのか。。。
ここは橋爪功が言う
「人を殺せる人は、
生まれつきそういう性質の人間である」
みたいな所との関連も気になります。
だからやっぱり彼らの取った方法が気に入らないし、好きになれない。
映画自体に関してもあまりスッキリしない終わり方だと思います。結局真相ははっきりと説明されないままでしたし。
いや、問題提起型で答えを出さないものや悲劇を扱った映画や、どう見るかを観客に委ねる映画だってあっていいと思います。
でも、やっぱり「それでも希望はあるよね」って方が僕は好みなんです。
だからこの映画はモヤモヤしちゃう。
でもねー、上手なんですよねー。
映画は終わりますが、その後、福山雅治も広瀬すずも罪を背負って生きていくってことになるのとかねー。
この映画もみなさんがどう見たのか気になって仕方ないです。