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三度目の殺人のnaomiのネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

私、何か掴めたかな、今。

手を引かれて連れて行かれた霧の中で、パッと置き去りにされた気持ち。

そもそも手を引かれたと思ったのは私の勘違いで、勝手に迷い込んだだけだったのかも。


クールになりきれない役の福山雅治

素直にかわいい女の子って言わせてくれない役の広瀬すず

のらりくらりと何も掴ませてくれない役の役所広司

あぁー。掴めない。


裁判では、時間制限のある中で人が人を裁く。
偉い人が悪い人に罰を与える、それを前提に進んでいく。
なのに、裏であんな話して、真実を明らかにするつもりでないなら、裁判って誰のためにやってるの?
演劇みたい。滑稽にすら感じる。

斉藤由貴が湿度高めな感じで娘にねっとり絡みついたあたりから、性虐待が頭をよぎり始める。

「あー、役所広司が少女を守ろうとしたんでしょ?実は優しい犯人なんでしょ?」
って思った。

なのに、なんか違う。
ぬくもりを感じない。
結果、少女が救われたことに変わりはないのに…。

多分誰もが強烈に印象に残る、あの面会のガラスのシーン

そこをみて
この人は透明なお面だ。
ロフトとかに売ってるやつ。

でも多分みんなそう。

自分のために罪を犯した。
裁かれたくて。
見る人が見れば少女のためにも思える。
自分のために
ついでに、少女のために。だったのかも。

きっと、人より多く色んなことを分かってしまう人間って、すごく疲れるから。
このおじさんは、疲れちゃったんだと思った。
みんなのお面を見ることにも
自分のお面を見られることにも。
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