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三度目の殺人のEIKUNNのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
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この法廷劇という舞台を使って、単に司法の闇の部分を晒すだけでなく、失業、貧困、、とか他の社会問題をも問題提示するまさに一石三鳥作品。

ミステリーではあるが序盤からほとんどストーリーの波はないのに、最後の十数分で怒涛の連続パンチを喰らった感覚に陥る。是枝監督の作り込まれた脚本・演出の成せる技。

「誰を裁くか、誰が決めるんですか」
「あなたは、ただの、、、器、、。」

《一度目の殺人》は北海道での炭鉱。
《二度目の殺人》は東京の社長。
《三度目の殺人》は??
・死刑宣告になると分かっていながらわざと裁判に負けるような供述をした、三隅自身による自身の殺害?
・阿吽の呼吸で合理性や自らの評価・保身のために死刑を宣告(することができる)裁判所・裁判員・弁護士・検察等の司法?裁判員裁判であったのがポイント。司法の職につく人だけでなく、私たちも「生死を選別する」ことができてしまうということ。
・はたまた、観客(重盛も)が信じたくて、「嘘をつくのが上手」な咲江かも。
etc...

この辺をはっきりさせないのが是枝監督であって、全て正解なのだと思う。

いろいろな方のレビューとか解釈、本当に勉強になります。
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