ごてふ

空(カラ)の味のごてふのレビュー・感想・評価

空(カラ)の味(2016年製作の映画)
3.8
通りすがりのテアトル新宿にて。全く予備知識なくレイトショウ鑑賞。若年層中心に3割程度の客入り。但し1割は業界関係者とスタッフ・出演者の縁者・お友だちと見た。地方映画祭で4冠達成って云われても当方不案内。だがしかし人も映画も一期一会。どこでどんな出会いがあるか解らない。摂食障害で悩む少女の暗い青春譚。シナリオも書いた女流監督の実体験であることは開巻20分で何となく判った。真に迫っていたからだろう。箸が転がっても可笑しい年頃の少女が直面する受難と修羅をこれでもかと見せられて気分が良い訳はない。感心したのは周囲との関係性をキチンと整理して客体化していたこと。その眼差しは醒めて鋭い。終盤、主人公は奇矯な女性(←恐い人です)との出会いで立ち直るかに見える。難解ではあるが印象的なラスト。その余韻には希望が感じられた。終映後のトークショウ付。ロビーには主演女優もいたが、スクリーンとは違い笑顔の似合う健康的な美人でありました。
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