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空(カラ)の味のrimiのレビュー・感想・評価

空(カラ)の味(2016年製作の映画)
3.8
塚田監督が自身の体験をもとに摂食障害の女の子の葛藤を描いた作品。
とてもリアルで、友達や家族といる時でも感じる聡子の孤独や、寂しさ、自己肯定感の低さ、生きづらさがひしひしと伝わってきて、観ているのが苦しかった。
自分でおかしいと分かっていながらも、どうしていいか分からず、強迫観念にとらわれている聡子の姿は、体験した人じゃないと描けないものだと思った。
観て良かった。
マキさんとの出会いで「それでいい。」と思えたこと。そのままの自分を自分が許してあげることの大切さ。
沢山の人に観て欲しい映画。

「映画の音楽って気持ちをあおっているみたいで好きじゃない。映画は見た人のものだから、作り手が感情を決めないでほしい」と監督が言うように、聡子が仮面を被って踊るシーン以外の音楽がなかったのも現実的に観れてよかった。

『空(カラ)の味』は、 摂食障害になってしまう主人公の話ですが、 私は摂食障害の話を撮りたかったわけではありません。病気だろうが、おかしかろうが、 不正解だろうが、間違っていようが、ダメだろうが、それを「不安だ」とか「頑張ろう」とか各々が何かを思っている“心” があって、各々のそれを聞いて欲しいし、聞いていたい、 と思いました。だから今日がダメでも、大丈夫じゃなくても、 何もなくても、アリだよ。と私は言いたい。(塚田万理奈監督)
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