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結婚のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

結婚(2017年製作の映画)
4.2
「結婚しよう」──まるで呼吸するかのように、自然にプロポーズを決める男。彼の名は古海健児(ディーン・フジオカ)。 端正な容姿に気の利いた会話、捉えどころのないミステリアスな瞳、そしてどこか寂しげな横顔で瞬時に女たちの心を奪う、結婚詐欺師だ。 
出会ってひと月も経たない古海のプロポーズに、家具店で働く麻美(中村映里子)は驚き戸惑いながらも、初めて訪れた幸せに舞い上がる。だが、二人で暮らす マンションの敷金として100万円を渡した直後、古海は麻美の前から姿を消してしまう。 そんな手口で古海は、元々は被害者の一人だったるり子(柊子)という相棒と共に、市役所に勤める鳩子(安藤玉恵)、キャリア志向の元編集の者の真奈(松本若菜) と次々と相手に合わせて設定を変えて女を騙していく。だが驚くべきことに、彼自身は妻の初音(貫地谷しほり)と幸せな結婚生活を送っていた。ある時、鳩子が私立探偵の矢島(古舘寛治)に古海探しを依頼し た事をきっかけに、騙された女たちが偶然に繋がり、古海の行方を探し始める。 
一方、窮地を助けてくれた謎の女・泰江(萬田久子)と出会った古海は、互いに過去に秘密を抱えている事ことを感じ取り、不思議な絆が生まれはじめる。 そんな中、古海は彼女から、人生を変えるであろう“ある提案"を持ちかけられる……。 
果たして、騙した男と騙された女たちが、欲望の果てに見た真実とは?
そして女たちの想像も願望も鮮やかに裏切る、古海が背負った秘密とは?
井上荒野の同名小説を映画化。
ディーン・フジオカが演じる結婚詐欺師が、どんな女をどのように心を掴み騙すのかを、様々な女性を騙す過程で見せるコンゲームが前半。
結婚詐欺師が胸に秘めたトラウマや秘密が、ある女性との出逢いで次第に浮き彫りになる急展開の後半。
ストーリーを通して描かれるのは、「結婚や愛が永遠なもの」と信じる人間と「結婚と愛は永遠なのか?」と疑いつつ信じたい人間の悲喜劇。
ディーン・フジオカのまるでトニー・レオンのような色男ぶりと幸せを提供したいという思い、騙されても騙された現実を受け入れ切れない女心が、印象的なビターな大人のラブストーリー映画。
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