さよこ

ふたりの J・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏のさよこのレビュー・感想・評価

4.0
※2020年に映画館で鑑賞
※しばらく過去鑑賞レビュー続きます🙏
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久しぶりにミニシアター系の映画で面白いものをみた。これは甘酸っぱい青春の物語。



①流動的ジェンダー
ボーイッシュな義妹が架空の作家リロイ(少年)に化けるわけなんだけど、義妹の心の揺れ動きがとても良い。男性も好きだし女性も好き。そういう思春期における流動的ジェンダーの切なさがぎゅっと詰まってた。

②作家のクレイジーぷり
最初からクセのある話し方だなとは思ってたけど、話が進むにつれてどんどんメンヘラ特有の不安定さを出してくる。この女優さんの怪演ぷりはすごい良い…!

③フィクション⇔ノンフィクション
リロイの正体が判明したときの世間の反応がちょっと気になる。小説そのものが変化したわけじゃない。小説に書かれた文字や、登場する台詞は同じなのに、小説の外側の情報で中身が評価されてしまう。例えば何かのコンクールでもそうだけど『若干○才!』という年齢であったり、『○○の障害を乗り越えて…!』というキャッチフレーズなど、純粋に作品だけで評価されないのはなんでだろうなぁとす凄く不思議だった。だってその本のキャラクターにみんなは救われてきたはずなのに。例えフィクションでも勇気づけられたことには変わりないのにと。

…と、2020年当時は思ってたけど、あれから数年経って「芸術とは、作り手側の物語だ」みたいな言葉を知って、なるほど作品に付随する色々な背景も作品の一部なんだなと思って色々腑に落ちた。あと、小説自体がたしか自伝的小説を売りにしていたので、そりゃ騙されたと思うのも納得。

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⚠️この先、ネタバレありの雑記です⚠️
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感想メモからの抜粋✍
・セラピーから始まった物語
・確かに架空ではあるけど、自分の中には存在してたんだよね…。
・女優にとってはリロイへの恋心もビジネスの一つで、本気になったリロイとのギャップが切ない。
・原作者そっくりだった

記憶ふわふわですがメモに面白かったとあったのでこのスコアです。過去鑑賞作品のスコアはゆるふわ基準です🙇

【追記】
今キャストを振り返ってたら、リロイを演じていたのが今年『ダイアナ妃』を演じたクリステン・スチュワートでびっくりした。全然別人…!😳
さよこ

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