じぇれ

ふたりの J・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏のじぇれのレビュー・感想・評価

3.8
【アイデンティティの揺らぎで心が泣く】

彗星の如く現れた美少年私小説作家はふたりの女性が仕組んだ幻だった! ルックス担当だったサヴァンナ自ら脚本を書いた、今世紀最大の文壇スキャンダルの裏で繰り広げられるヒューマンドラマ。

本作最大のみどころは、ふたりの女性の葛藤。
コンプレックスから架空の美少年作家を作り上げた中年女性作家。
バイト感覚で1枚写真を撮らせたことから時の人になってしまうルックス担当の少女。
二人三脚で膨らませていった虚像“J・T・リロイ”に各々が振り回されていくドラマは、濃密でスリリング!

もちろん演じる役者も素晴らしい!
ローラ・ダーンの狡猾な芝居とクリステン・スチュワートの繊細な芝居が見事な化学反応を起こし、終盤は過呼吸に陥りそうになるほど心が掻き乱されます。

アイデンティティを巡るドラマとして見応えがありますので、自分が何者なのか悩んでいる(悩んだことがある)方に強くオススメします。