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海辺のリアのPAOのレビュー・感想・評価

海辺のリア(2017年製作の映画)
3.7
昔は名俳優で知られた『桑畑兆吉』だが、今や認知症を患って実の長女夫婦に老人ホームに入れられてしまい、挙句に認知症であることをいい事に長女夫婦に都合の良い内容の遺書まで書かされてしまう始末。
たぶん本当に認知症なんだろうとは思いつつも、不意に正気に戻っているようなシーンもあって、実は全てが名俳優『桑畑兆吉』の演技なのでは?と思ってしまう。
映画の大半が石川県の千里浜海岸のシーンで、キャストはたったの5人だけ。という舞台のような演出もオツな感じ。
海辺での長回しによるシェイクスピアをなぞったシーンの演技は、仲代達矢さんワールドで本当に素晴らしい。
脚本はハッキリいって弱いですが、そもそもキャストの力量に頼り切る腹づもりの映画なんだと思いますので、仲代達矢さんを筆頭に演技派揃いのキャストの演技は見ものです。
ただ本来主役を張れるはずの小林薫さんの使い方が衝撃的。
セリフが二言ぐらいしかない気が…
賛否ありそうですが個人的にはアリです。
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