Solaris8

ヒトラーに屈しなかった国王のSolaris8のレビュー・感想・評価

4.2
12/16 シネスイッチ銀座で「ヒトラーに屈しなかった国王」を観てきた。

ノルウェーは1905年にスウェーデンから独立し国民投票でデンマークからカール王子を国王として迎え、新憲法の下、立憲君主制の新生ノルウェー王国を樹立する。

世界史をネットで調べると、日露戦争で日本が勝利した事がトルコ、ノルウェー、フィンランドの独立に影響を及ぼしたと云うが、確かに昔、高校の世界史で、そんな事を習った記憶が在る。

1940/4/9 ドイツ軍はノルウェーとデンマークに攻撃を開始する。ノルウェー国王の兄が国王のデンマークは瞬く間にドイツ軍に包囲され、為す術なく降伏するが、ノルウェーは国王や政府がオスロを脱出し、拘束を免れた。

映画はノルウェーの1940/4/8から3日間の出来事を時系列で追いかける。事件が起きた日と時刻、場所が字幕に映し出される為、映像には史実のような緊張感が在る。

途中、ミッツコーゲンの農場でノルウェーの少年兵達が国王や政府に迫るドイツ軍を止めるべく、闇夜の雪灯りの中、オレンジ色の閃光が飛び交う銃撃戦を展開するが、冷たいノルウェーの雪の大地が、迫真の緊迫感を産み出す。

その戦闘で負傷し意識を失った少年は直前に、国王から労いの言葉を受けていたが、少年兵が「全ては国王のため」と返すと、国王は「祖国のためだ」と嗜める。

ノルウェーは立憲君主制の国だが、国王は国民が選んだ国王で有り、国王自身も民主主義の自国の事を誇りとしていた。この映画の英題は「国王の選択」なのだが、国王はドイツの傀儡政権の承認要求等を拒み戦争になる。ネットで調べると国王は亡命し、ノルウェーは6/10、ドイツに降伏する。

国王として祖国の為、民主主義を守る信念を貫く重みと拒んだ事に拠り、二ヶ月間の戦争で失う命の重みのどちらが重かったのかは、1945年6月、亡命していた国王が凱旋帰国し、ノルウェーが今でも立憲君主制で在る事に答えが有るのだと信じたい。