QTaka

ヒトラーに屈しなかった国王のQTakaのレビュー・感想・評価

3.0
特に感動する事も無く。
淡々と流れて行く物語とも言えるかもしれませんね。
史実の基づいた映画ですからね。
そして、この映画は、その史実が重要な映画でも有りますからね。
だから、特別な事はなくていいんですね。
ありのままを、表現し、それを確認するように受け止める。
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立憲君主制の下で、言うに任せぬ身でありながら、その職責を最も正確に理解していた国王を描いた映画なのでしょう。
ノルウェーの歴史の重要な一ページを描いた映画なのですね。
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この映画、ノルウェー以外の人々にとって、どれほどの意味を持つのだろうとも思いますけどね。
第二次世界大戦、ヨーロッパでの戦いには、それぞれの国の事情が有ったようです。
ある国は、ナチスドイツ占領されながらも、それでもなお地下に潜って抵抗する市民達もいたし。
ある国では、地下政府を作り、決してあきらめない意思を繋いでいた国もあった。
あるいは、亡命政府を立てて、抵抗をやめなかった国も有った。
ノルウェーと言う国は、決して強い国では無かった。
その国が、ナチスドイツの脅威にさらされた時、国民は、政府は、そして国王はどうしたのか。そういう映画。
一方的な侵略に対し、屈する事なく戦う事を選択した事は、この国の歴史であり、この国の誇りとなっている。そういう伝説がここにある。
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この映画に描かれている人々は、それぞれの特徴を示していた。
ドイツのノルウェー駐在外交官は、忠実なるナチスドイツへの奉仕者である。
『凡庸なる執行者』とまでは言わないが、自らの判断と行動の人ではありえなかった。
様々に描かれるナチスドイツの軍人や公務員たちは、ことごとく忠実な奉仕者であった。
それは、自らの責任において行動する者ではなく、あくまでも組織の構成員であろうとする人々であった。
一方のノルウェー国王は、ノルウェー国民の前にある国民の為の国王であろうとした。
国民達も、兵士達も、あるいは国王を取り巻く政治家達も、必死に考え行動していた。
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それにしても、この国王と国民の距離は実に近い。
こういう距離が、この国王、皇太子、王家を支えたのだろう。
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