おざわさん

ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラのおざわさんのレビュー・感想・評価

3.8
邦題はともかくとして。笑

互いの才能を認め合いつつも、最後の一線で袂を分けてしまったコルビジェとアイリーン。
主役はあくまでアイリーンなんだけど、巨匠コルビジェがその心の声を時折画面のこちらに向けて呟いて、なかなかに面白い作り。
戦争を挟んでアイリーンの作った代表作の別荘「E.1027」を中心に、話は進んでいきます。
初め設計を手伝おうとしたコルビジェでしたが、アイリーンとの打ち合わせ段階で破断。しかしながら出来上がった別荘は、彼の提唱する近代建築の五原則するだけじゃなく、アイリーンならではの細やかな気配りの行き届いた傑作。

コルビジェは嫉妬からかその設計を評価しませんでしたが、その後幾度となく入り浸ったり、勝手に壁に絵を描いたりとお気に入りだったのは誰の目にも明らか。笑
その上別荘が売り払われそうになると、知り合いに頼み込んで買い取ってもらったとか。
すぐ近くに小さな休暇小屋を作って、目の前の海で泳いでる途中に心臓麻痺で死んじゃうなんて、まるでマザコンの子供みたいですね。笑

そして実際に2人の作品を使った撮影が資料映像のようで、設計に関わる人には堪らない作品でもあると思います。