ニクガタナ

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのニクガタナのレビュー・感想・評価

3.5
ボストンマラソン爆弾テロ事件に巻き込まれ両脚を切断した青年の実録ヒューマンドラマ。目力抑えて普通な青年演じるジェイク・ギレンホールとヒロインらしからぬごく普通な雰囲気の彼女との腐れ縁修復奮闘ラブストーリーでもある。異常な役が板につきつつあったギレンホールが製作と主演を兼ねて自身の好感度上げたかったのか?そしてなんじゃこの邦題は?ダメな僕だから?英雄になれたの?違うだろ?ダメな邦題だからヒットしなかったんじゃないの?同じテロ事件を描いたアメリカの国威高揚映画「パトリオット・デイ」を先に観てたが事件現場の描写はこっちの方がリアルで凄惨。全篇ボストン市全面協力なだけはある。入院してすぐ、病院で詰めてた家族、友人一同が、テロ犯1名死亡との報道に歓喜して「もう一人も殺せ!」って盛り上がってるのがアメリカらしい。病院で意識戻って直ぐにデリカシーない友人に両脚無い気分を聴かれて「(フォレスト・ガンプの)ダン中尉の気分」と筆談で返せる主人公のセンスに心の中で拍手を送る。家族は息子をせめてヒーローにしたい。息子もその想いに応えたいと思うが、心がついていかない。自分の意思とは関係なく祭り上げられヒーローにされるやるせなさが上手く描かれてる。リハビリの困難さとか義足で歩けた瞬間とかクララよろしくドラマチックに描かないのが良い。両脚の無い表現、義足での歩行など演技とCGの融合が見事で流石。アメリカ人にデリカシーというものを学んでもらう教材にして欲しい作品だった。
ニクガタナ

ニクガタナ