優しいサメ。
最早出オチ以外の何でもないこの作品。
単純にステイサム好きのための純度の高いステイサム映画。公開決定時からサメが圧倒的不利であったが、それが揺らぐことなく本編が展開されるのは流石に笑う。
誰よりも先にサメは殺すと断言するあたりいつものステイサム。
だが映画としてはダメだ。
家族愛とかいうサメ映画には不要な要素が多すぎる。そんなの軽くでいいのだ。だってサメ映画の主役はサメなのだから。
だがまぁ、それはいい。それ以上に憤りを感じたのはサメがおとなしすぎる点だ。
普通のサメならまだしも、今回はメガロドンだ。上空から銃を乱射してくるヘリコプターなど丸呑みにしてくれるほどの気概を見せてくれなければメガロドンという名が泣いてしまう。
もっと悶々としたのは海水浴場襲撃のシーンだ。驚くことにほとんど餌枠を消費しないのだ。少し進行の方向にいる人をつまむ程度。これは余りにもひどい。何10mもの巨躯なのだから、もうそれこそ海水浴場を一掃する勢いで大暴れしてほしかった。
極めつけは取材ヘリの扱いだ。取材ヘリ同士が衝突して墜落するのは流石に酷すぎた。持ち味を生かせ、メガロドンという持ち味を。
作戦もまぁ大概アホなのだが、ステイサムだからセーフ理論で今回も乗り切ったといったところか。
まぁ、娯楽作品としては楽しめる。凡百の質もそこそこのサメ映画を見るくらいの期待感で行けば楽しめることは間違いない。
だが、一般人は騙せても一介のサメ映画オタクから言わせてもらうと子供だましもいいとこ。不完全燃焼が半端なかった。
