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ライ麦畑で出会ったらのskm818のレビュー・感想・評価

ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)
3.8
1960年代終盤、全寮制の男子校でいじめられてる男の子が自分で戯曲化した「ライ麦畑でつかまえて」を上演する許可を取るためサリンジャーに会いにいく話であると同時に、それを通して現実と向き合っていく話なんだろうなと。ホールデンは自分の子どもだ誰にも渡さない(戯曲化の許可も出さない)と言う頑固なサリンジャーに対する批評にもなってるような気がする。サリンジャーって髪を伸ばした世捨て人っぽいイメージで想像してたが、ふつーにきちんとした格好したおっさんじゃねえか。気難しい村上春樹みたいな感じ。近所の人が住所教えないのはやっぱ尊敬されてんだろうなと。まあ主人公みたいなのがしょっちゅう来てたらコミュニティ的にも迷惑だろうしなあ。ディーディー最初うざかったけど、いい子だった。終始主人公をサポートしててちょっと都合がいいとも言うけど。ハンクとのことは、男子校にありがちな疑似恋愛の類と切り捨てるでもなく、過去の淡い恋、みたいな扱いなのかな。彼との関係性は場面としてはそんなに出てこなかったので、そうなの?って感じなんですが。フットボール部のモテ男テッドは総代として礼拝で朗読をしたり劇に出たりもできるやつなのか。名門校の体育会系ハンパないな。それにしても、許可取れてなくても上演しろ言う先生方いったい… サリンジャーも何だかんだ言いながら介入してはこないし、こういうの暗黙の了解なんだなあ。
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