サンチャイルド

ライ麦畑で出会ったらのサンチャイルドのレビュー・感想・評価

ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)
3.8
映画「スタンドバイミー」の高校生版。隠遁者サリンジャーを探すストーリーってのは、どうにも惹かれた。しかも、実話ベースとは。ファッションとしてサリンジャーファンになろうとして、全くなれなかった恥ずかしい身に覚えがあるものとしては。

バディとしての女の子が、なんとまぁ素敵なこと。男が永遠に憧れ、寄り添ってもらいたい女性の理想を体現してる。こんな慈愛の固まりのような女の子、60年代にはいたのかな?

小説「ライ麦畑でつかまえて」のホールデン少年のような、幼くお粗末で、イマイチ可愛げに欠ける主人公が、この設定とバディに救われ、劇中ギリギリ見捨てられなくなり、思った以上に感情移入が出来てしまい。
若い頃に読んだ、かのホールデンくんに対しては、「こんなにウジウジした奴の内面なんか、知らんがな。」と何の感情も持てず、読みきることすら苦労したっていうのに。

ともあれ、監督が深く愛したのだろう「ライ麦畑~」を、ある意味ではアンチテーゼへと昇華させ、挑戦、冒険と失敗こそが、男を大きくするのだという見事な着地点へ到達している。