ベルリン、夏。
アートセンターで働くサシャは、仕事の帰り道に倒れ、そのまま息を引き取ってしまう。
サシャのいる病院にかけつけたのは、サシャの恋人ローレンス、彼女の家族、友人。
特にサシャの恋人のローレンスと妹のゾエはサシャの死に打ちのめされてしまう。
「アマンダと僕」で注目を集めたミカエルアース監督が描く、恋人を亡くした男と、姉を亡くした妹、それぞれが感じる喪失感と、それでも過ぎていく行く日々を、ベルリン、パリ、ニューヨークの3都市を舞台に、3度の夏に渡って描いています。
夏の眩しい日差し。緑鮮やかな避暑地で家族と過ごすとき。朝ベッドで目覚めて、隣に誰もいないとき。ふと感じる違和感と空虚感。ローレンスもゾエも無意識に日常に彼女を探している。彼女を失った喪失感にさいなまれる日々。
苦しみの渦中にいる二人が、少しずつゆっくりと立ち直っていく様子に胸が打たれると同時に、その繊細な表現に心を奪われてしまいました。
日常を切り取っただけなのに、その映像の美しさも非常に良かったです。