タラコフスキー

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのタラコフスキーのレビュー・感想・評価

5.0
予告の時点で気になってたけど全然日本で上映されないからDVDを海外から購入したら、案の定自分好みの作風になっていて大満足。

単純ながら説明の無い展開と脚本、幽霊初登場時の長回し、静謐を極めたかのような演出の数々(特に悲嘆に暮れながらタルトを頬張るルーニー・マーラは最高だった)、タルコフスキーにキューブリックにマリックといった芸術性の高い映画監督を髣髴とさせる描き方で神秘的な作品を味わい深く綴っていて実に良かった。

しかし描き方も演技も良いからってのもあるんだろうけど、あのゴーストっぽい話から娯楽要素を除いて幽霊をチープで独特なものにしただけでここまで趣のある作品になるってのは目から鱗。

中盤以降漂う無常観と不死性の対比(想い出の家が無くなっても幽霊として消失できない哀愁は実に切ない)もグサグサと心に突き刺さり、感動で思わず嘆息してしまうくらいだった。

良いって評判は耳にしていたけど、期待以上に描写が心に沁みる作品で、デヴィッド・ロウリーが監督した映画で文句無しの最高傑作となっていたから購入して正解だったと心底思う。