アタフ

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのアタフのレビュー・感想・評価

4.3
おお!これはビビっときたぞ!!(⦿ω⦿)!!

セリフがほとんどなく、とても静かな映画です。流れるのは神秘的な宇宙を感じるような音楽。とても癒される。
セリフがなくとも、映像で語る。この映画は最初から最後まで一切セリフがなかったとしても、理解ができたと思う、それくら"映画的"な表現にあふれた映画でした。

主演はルーニー・マーラとケイシー・アフレック、どこか憂いを秘めた二人の佇まいがこの映画にとても合っていたと思います。見た皆が印象に残ったであろうルーニー・マーラの長回しやけ食いシーン。5分ぐらい映しているんじゃないかと思うほど長かったですね。ワタクシ、やけ食いする女性のシーンのある映画は好きです。『スペル』とかね。

初めは、交通事故で死んでしまった夫(ケイシー・アフレック)がゴーストになり、妻(ルーニー・マーラ)を見守るという、心温まるストーリーだと思っていた。大きく違うわけではないが、自分の予想より斜め上を行く展開が待っていました。
この映画を見ていて思い浮かんだ漫画があります、それは『火の鳥 未来編』です。『火の鳥 未来編』は永遠の命を手に入れたマサトが地球の歴史を見続けるといったもの。今作はそこまでのスケールではないですが、一つの家、土地の歴史を体験し続けるという、単純なラブストーリーだと思っていた話が予想外の展開になってゆき、驚いたと同時に、「なんだこれ!?凄い面白い!」とこの映画にのめり込んでしまった。

思ったのですが、この布を被ったゴーストがだんだん可愛く見えてくるのは私だけでしょうか!?隣人のゴーストと挨拶したり、家の壁をジョリジョリ削るゴーストはなんか萌えですね。可愛いです。中身ケイシー・アフレックだけど。。。

このゴーストは人間が布を被り、目の部分だけ空いているとても単純なルックスなのですが、それでも、このゴーストの表情というか心情が伝わってくるんです。目の部分が開いているだけなのに、なんだか悲しげな表情に見えてくる。これって凄いことですよね。

アベンジャーズとかスターウォーズとか派手で楽しい映画もいいけど、
たまにはこんな繊細で静かな映画に浸るのもいいなと思えた。そんな映画でした。
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