みきちゃ

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのみきちゃのレビュー・感想・評価

4.1
大切な人の存在が最高潮にくっきり際立つのは、その人が不在の時。無言は時に言葉よりも雄弁で、静けさは時にとてつもなく騒々しい。

時が止まってしまった人(だったもの)にとっての時ってこんな風に流れるのかもしれない。時計とかカレンダーとか、そんなんじゃない時の流れ。

早々に時間感覚が抜け落ちた。前半は冗長さとあまりの静けさに寝落ちの心配をしたりもして。でもいつの間にかゴーストの時間感覚に馴らされたらしく、後半は謎の時間軸内にどっぷりつかって、巡りながらたゆたってた。

画的に綺麗だった。アート。ゴーストの目の穴とかドレープ具合とかやっぱ試行錯誤しまくったんかなあ。無表情のゴーストに表情があるように見え始めたりしたのとか絶対気のせいやし…。

ホラー映画のポルターガイスト事象とか、実はこのゴーストがやってることやと想像するとつらくなるので想像しないし、代わりにCが作った歌の素敵さを思い返してやりすごす。

今更になってタイトルが "THE" GOHST STORY じゃなくて、"A" GOHST STORY なのがみぞおちらへんにぶっ刺さってきて空虚さと切なさ増し増しやねんけどもー勘弁して。

ギレルモデルトロ監督が2017年のベストムービーにしてるのを見かけて、なんとなく楽しみに待ってた映画。見れてよかった。世界の見え方が、少し変わった。
http://www.indiewire.com/2017/12/directors-best-movies-tv-2017-guillermo-del-toro-denis-villeneuve-luca-guadagnino-1201911679/amp/?__twitter_impression=true

Mが涙しないのが良い。あとあのあれ、何パイ?ミート?チョコ?
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