なみつ

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのなみつのレビュー・感想・評価

3.7
やーーーなんかすごい映画でしたほんと。
序盤、ルーニー・マーラがソファをずりずり運んでるシーンから違和感はありましたが、幽霊が話さないことを抜きにしてもほんとにほぼセリフがない。ひとつのシーンがべらぼーに長い。それと、枠が正方形だったり、角がまるいときとそうでないときがあったり。観たひとと出した結論だと、幽霊目線かそうでないかなのでは、ということになりました。

鑑賞中は、幽霊さん自己中すぎないか?とけっこういらいらしてしまって。関係ない人たちとばっちりすぎるだろと。もう死んでんだから、あきらめてさっさと成仏しろよと、幽霊も幽霊でかわいそうなのにかなり辛辣なことを思ってしまったのですが。

観て数日後にはたと気が付いた。
これは、生きてる人のための物語だったのか。まあそりゃそうかって感じなんですけど、、、映画観る幽霊はたぶん少ないから、、、
身近な人を失った経験がまだないから想像なのですがもし、そうなったら、その人が亡くなってもしばらく側にいて、自分のことを見てくれていて、立ち直って、その人がいなくても大丈夫になったら、その人もふっと消える。少しの淋しさと共に。そういう考えは、もしかするとすごく救いになるのかもと、思いました。実際、49日はまだはんぶんいるって聞きますもんね。

この映画のタイトルのAって、そう考えるとちょっと切ない。そういう幽霊たちが他にもたくさん、いるんだろうなあ、というのが醸し出てる気がします。よく見ると邦題でもちゃんと残してるんだな。

展開は単純に思えて終盤は難しかった。
以下、内容に関する解釈。

家が壊されてメモが見られなくなった幽霊は、成仏する術を失ってしまった。うろついてみたものの、希望をなくして自殺を図る。でも幽霊だから無理なので、過去に戻ってやり直すチャンスをもらえた。ただ、いったん飛んだのはものすごく過去。あの人と同じように、メモを隠す女の子。祖先から脈々と受け継がれてきた行動ということ?気づけば今の時代へ。幽霊になる前の自分。横目で見つつ、やっとメモを手にすることができた。目にすることができた。それでやっと、消えることができた。

うーん、やっぱり祖先のくだりがよくわからない。途中のパーティーでの話がつながってるのかなというのはなんとなく感じるんですが、、、もやもやする。
でもふしぎと、いやなもやもやではなかった。
なみつ

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