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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのshuのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

残された者と死んだ者の、それぞれの想いが徐々に明らかになる感動の物語、なのかなあと想像していたら全力で裏切られた。
構図がシュールで美しく、長回しのカットの静けさは絵画を観るような趣きがあったが、それでストーリー性が損なわれた感が多少。
でもストーリー性よりも余韻とか、ヒロインの心情とか、見守るゴーストを置き去りに過ぎ去っていく時間の儚さとか、そういったものを表現するための、思想の表現のための間なのだろうな。

一般的な映画は、「いなくなってしまった死者/残された生者」を描く。
死者目線の作品だとしても、死者は生者の側に居続けて、ずっと見守るのが定番。
しかしこの映画は「『二人で過ごした時間・空間』に囚われ、ずっとそこから離れられない死者/ 流れ続ける時間の波に乗って未来へ進む生者」のギャップを描いている。
去ったのは生者で、残されたのは死者。
という、死者目線で描いた倒錯が新しく、そのための尺とセリフの少なさと思えば頷ける?

それにしても1カットは長いし展開は唐突だけれど。
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