maimai

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのmaimaiのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに、とても胸に刺さる傑作に出会えた。

見ていく内にどんどん映像に引き込まれていった。

誰かが言っていたけど、愛する人、愛した人がいる人にはより響く作品。というより、愛する人を失ったことがある人には特に。

心に残ったシーンをいくつかリマインド。

・パイを食べるシーン
愛する人の喪失感に包まれる時は、食事が喉を通らない。けれど、誰か親しい人が作った料理は食べようと思える。
自分と重ねてしまったシーン。
私は、大切な人と別れて、ご飯が食べれなかったけど、母親が地元から作ってきてくれたお弁当や友だちが作ってくれたお菓子に救われた。
パイを食べるまでは食事も喉を通らなかったんじゃないかな…。それでも、一心に食べていた、あのシーンがひたすらに胸を打った。

・パーティーで男が語るシーン
ここは物語のメインポイントともいえるシーンですね。
創作の意味とは何かを語りつつ、
「人に忘れられた時に本当に死ぬ」というようなことが語られていた。
恐らく、死後も生き続けるには2通りあって、ひとつは子孫を残すこと。そしてもう1つは、誰かの記憶に残ることだと思う。
主人公には子どもがいなかったから、記憶に残ることが、死後も生きるということだったのかな…?

・最後、メモを見るシーン
………言葉が出てこない、涙しかでなかった。
あのメモには何が書かれていたんだろう。
誰かのレビューで、何が書いてあるかは重要じゃない、時が存在したという事実が重要なんだ、というのを見た。なるほど。
そしてその時を確証して、成仏した…。

そっか、最期を言うこともなく事故死だったもんな…。死を飲み込むことなく死んだ。死を飲み込むために、愛する人と共に過ごした、愛する人が自分を愛したという事実を確証することが必要だったのかな。

切なかったーーーーー……

この、この映像独特の「間」や「静」を、つまらない、と思わないような人、大切な人と、一緒にみたい。いつか。

私は、ホラーの「おばけ側の視点」とか、「死んだ人が愛する人を見守る姿」とかにとてつもなく興味や心惹かれるものがあるから、胸に刺さりまくりというかもう大好きな映画でした。いい夢見ます。
maimai

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