pika

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのpikaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これは凄いわ。驚いた。こんなことやっちゃう!?オープニングからラストを想像できないぶっ飛びっぷり。こういう新鮮な衝撃を味わえるから映画は何本見てっても楽しいものですね。
噂に違わずパイのシーンは言わずにはいられないくらい長くて笑った。

オープニングから尻上がりに時が加速していく描写は見応えたっぷり。フィックスでゆったりとした時間を見せながらどんどんジャンプしていく流れの快感が凄い。トーンは一定なのに。一定だからこそじわじわくる。
病院内で壁に光の入口が開くカラフルなライトの点滅、2周目を迎えて新たなゴーストを見る後ろからのショットなどギョッとさせる演出が絶妙。
柱をカリカリとほじくるゴーストが可愛く滑稽で少しずつ布が薄汚れていく感じもドラマチック。
延々と鳴り響く不穏な劇伴とテーマ曲のようなオリジナルソングが格別なムードを生んでる。シンプルながらもど真ん中に刺さる。
一歩下がった位置から世界を眺めているような、映画の中に観客を寄せようとせず一定の距離を保ち続けているような演出がめちゃくちゃ効いてくる。薄ぼけた画面の中で様々な感情が湧いては消え多様な形に彩られていく快感というのか、思いもかけない形で酔える。

パートナーを亡くしたルーニー・マーラの演技が素晴らしい。
パーティでのおっさんの演説はわざとなのかドヤ感が凄いし説明的過ぎる印象はあるが、あれがなかったら観客を置いてけぼりにしかねないとかなんとかの商業映画としてギリギリの配慮というやつか。
pika

pika