nt708

預言者のnt708のネタバレレビュー・内容・結末

預言者(2014年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

言論統制を受けた中東の何処かが舞台の本作は、人々に慕われた詩人の最期の生き様を描いた物語である。

7年間にも及ぶ監禁生活から解放されて故郷に向かう道中、彼の作品を愛する人と出会い、9つの詩を残していく。雲のように掴みどころのない言葉の連なり、、これをアニメーションにしようとしたこと自体が素晴らしく、映画作品どうこうより、ひとつの総合芸術として大変見どころがあった。

何より肉体は滅びたとしても言葉は人々の心に残り続ける限り永遠である、という精神は私が作家として敬愛する三島の文学精神にも繋がるところがあり、現にこうして映像化されただけでもその存在価値がいかほどか理解できるように感じた。日常に疲れ、心を落ち着けたい夜に観たくなるような作品だった。
nt708

nt708