広島カップ

赤い波止場の広島カップのレビュー・感想・評価

赤い波止場(1958年製作の映画)
4.2
裕次郎演じる一匹狼的なヤクザ男。
港街神戸を舞台にして抜群のカッコよさ。無頼漢の魅力をモノクロの画面に振り撒いています。

サングラスと白いスーツでファッションを決めて、女にはモテモテ、危険な香りはするが陰には隠っておらず、マドロスポーズを決めたり晴れた開放的な屋上で「もっと遠い世界に行きたいなぁ」的な歌を唄っていたりします。
ジェイソン・ボーンばりの殴り合いを見せたり、拳銃で容赦なく気に入らない奴等を撃ち倒したりしますが、髪型が素直なので笑顔が少年っぽくなるのが憎いところです。
カッコいいと思われる男性像を当時なりの価値基準でガンガン攻めて来ている感じです。

裕次郎は当時既にあったカッコいい男性像を代表したものだったのか?あるいは彼が作り上げて行ったものなのか?
その頃の世相に詳しくないので彼のカッコよさのポジションが私にはよく判りませんが、おそらく後者でしょう。

1958年の日活作品。
男のカッコよさは当然時代とともに変わって行きます。
単純に男からみてカッコいいと思える銀幕上の男優は、高倉健亡き後の今一体誰でしょうか?
こうしたカッコ良さを追求した強烈な個性の男優の登場を望みます。
広島カップ

広島カップ