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夜明け告げるルーのうたのkrhのレビュー・感想・評価

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
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湯浅政明監督オリジナル長編アニメーション。
全編フラッシュアニメーションということで、滑らかな動きが作家性に合致して気持ちいい。独特な水の動きやダンスシーンはうわあ!と感嘆してしまう。最後に海がルーに駆け寄る動きもめちゃめちゃ滑らかで、気持ちの前のめり感が出ててとてもいいと思った。

「好きを肯定する」という大きなテーマがあるが、細かく言えばジュブナイル話で友情の話で家族の話で地域の話で異種交流譚でおとぎ話で愛の話。
さすがに詰め込み過ぎ感は否めない…
ひとつひとつはわかりやすいが、掘り下げが浅くならざるを得ないので凡庸に見えてしまう。それをアニメーションの見せ方で飽きさせないようになっている感じ。
ティーンも観れるものにという意識で制作したとのことだけど、その枠組みと中身のバランスがちょっと悪いように感じた。
(湯浅作品は演出過多で置いてけぼりになっていいと思うし、それに目を輝かせた少年少女がついていけばいいと個人的には思っている)

でも登場した小さなアイテムを全部拾い上げているから最後はスッキリ。
同じ構図を複数回なぞり、2回目以降の意味合いが変わる演出が効果的だった、何の話をしていて事態がどう変わってどう解決したかが分かりやすかったと思う。

クレジットの制作協力にミュージシャンのオオルタイチの名前があったけど、何を協力したのか気になっている…
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