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夜明け告げるルーのうたのてのネタバレレビュー・内容・結末

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなへったくそな歌で涙ぐむとは思いませんでした。
今、歌うたいのバラッドがずっとループで流れています。

天才にふさわしき湯浅監督がこんなにツボを刺激してくれるとは。
つい最近の夜は短し、とずいぶん導入が似ておりました。
あちらは現実においてかなり超越した半径5メートルから吹っ飛んだ楽しい映画で、こちらは自分の世界の外側から85センチまでノックしてくるような、なんとも対比してしまいたくなる2作でした。

一番気にしてたのが、巨人、篠原の声優。
演技から一番かけ離れて層に見えるかれですが、パッパが唸り声主体で会話することにより、彼へのイメージがどんどん膨らんできて、とてもはまり役だったと思います。ルーはもちろんすばらしいのですが、彼がMVPだったと思います。

現状から目を背け続けるあまちゃんの主人公、若さと衝動に任せていき急ぐ女の子に、楽観的で憎めないけど危機管理ができない男の子というどこにでもありそうな青春映画の三役がそろっているわけで、普段の僕ならあまり好まないタイプの話だったと思います。
ではなぜ泣いてしまったのか。と思いましたが、
それは歌うたいのバラッドの力だったのだろうと思います。
あまちゃんで、誰も俺のことなんか、という主人公が、ルーのために、ルーを思って歌うシーンは、それまでアレンジで聞かされ続けたメロディーに歌詞が載る破壊力と相まって、それは一気にハートを揺さぶってくるのです。

湯浅監督のなんかよくわけわかんない絵とダイナミックな表現が大好きなわけで、それでだいぶ補正がかかりましたが、ラストのシーン、そして最後のエンディングに至るまで、とてもハートが揺れてしまいました。
て