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夜明け告げるルーのうたのチーズマンのレビュー・感想・評価

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
4.1
粗くて強引、でも素直で、溢れんばかりに優しくて、湯浅政明ワールド全開でした。好きです。

あの独特なアニメ表現を音や音楽でググッと前に押し出してくるような感覚でした。と言っても言葉じゃ伝わりにくいですが、監督が言っていた「感触を画にしたい」というのがピッタリかもしれません。

大まかな内容自体は、素直に自分の気持ちを言葉に出せない男の子と人魚の一夏を描いた湯浅監督なりのジュブナイル。

そして長編映画では監督自身初めての完全オリジナルであるこの作品、話運びなどが上手い作品ではなかったと思いますが、強引でもあまりにもストレートなメッセージと閉じた気持ちを解放する気持ち良さの後に押し寄せる優しさ!湯浅政明のアニメ表現と「歌うたいのバラッド」が見事にシンクロしたラストはもう無条件に心が揺さぶられる。
そして、なぜあの曲が人々の胸を打つのかという根源の部分をもあらためて感じさせてくれる、これ以上ないぐらいの物語との相性と相乗効果だったと思います。

『夜は短し歩けよ乙女』もまだ上映してるところもある中、間髪入れずにもう湯浅政明監督作品が観れるなんて嬉しいですね。
そして次はNetflixにて『デビルマン』のアニメ化、しかも結末まで描き切るつもりというなんたるエネルギー。笑
いやこのまま走り続けて欲しいです。
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