AdobeのFlashによるアニメって10年前に一世を風靡したけれどその後は下火になったと勝手に思っておりましたがこんなにも洗練されていたなんて!
フレームワークによる動きの自動補正がかかった水のウネウネがとても新鮮に感じる。
多感な中学生と人魚の少女との出会いとピュアな青春ストーリーなのかとオートで受信し高を括って観賞していると突如風景として描かれるエキストラの大人のディープキスシーンによって自分の理性のタガが外れその後は感情を徹底的に揺さぶられる113分でした。
それは青春時代に仲間と探索するワクワク感だったり大人は常に子供の行動に対して保険をかけて子供としては苛立つところだったり将来への不安に悩み家族にあたりちらしたり、それでも親は命をかけて子供を守る安心感であったりするわけです。
そうした"ヒトの持つ"喜怒哀楽すべての感情を観客に堪能させエモーションに対して敏感に感じる体にさせられてさらに物語における共感できる部分と不満とを混在させた上で訪れる歌とダンスはそれまでに抱いていた感情がどうでもよくなるくらいに感動し(頭の中真っ白)大団円を迎え涙しエクスタシーを迎えてしまうのです。なんじゃこりゃー泣。
監督の話になるけれどフランスでの授賞式の際、フランス人やらロシア人が良かった感動したダイスキー!と握手を求めてきたそうで、人種関係なく通じてしまうものが本作にはあるんだなって。
この監督は人間というものをよく観察して知っている天才だと思ったし変態だとも思った。